【読書】新卒が『入門』考える技術・書く技術で必要な部分まとめてみた①

2023/10/25

考える技術書く技術
入門
ロジカルシンキング
新卒

はじめに

日本人がなぜロジカルシンキングが苦手なのか?
欧米言語の方からすれば、信じられないことかもしれませんが、
日本語のおよそ8割の文章には主語がないのです。主語への意識が極めて低いです。
→これは考えを正確に表現し、ロジカルに組み立てる際にかなりハンディキャップになります。

この技術を身につけることで、メール・議事録含め日常の仕事に活かすことができるようになります。

第0章

日本人がロジカル表現を苦手とする本当の理由

日本人には主語への意識が極めて低いことは述べましたが、
その理由として小中学校の国語の時間に習ったことがあげられます。

「書きたいことを書きなさい」

「あまり考えすぎると書けなくなるので、思いついたことを書くようにしなさい」
と日記や感想文で書くテーマが見つからない時にアドバイスとして受けたことがあると思います
大学のレポートなどでもこのように書いてしまうことも多かったです(ほぼ感想文になっていた)

しかし、社会人になった時のビジネス文書はそうはいきません。
何について書くのかを決めるのは、自分ではないのです。

「起承転結で書きなさい」

日記や感想文以外にも、「結論は最後に書きなさい」と習ってきたことも
ロジカルに組み立てられない要因の一つになります。

ビジネス文書では結論を冒頭に書くのが原則です。
読み手は目下関心に持っている事柄は「自分の考え・結論」です。

結論で書くということは訓練と経験で身につけることができます。
ライティングの基本的な考え方を理解し習慣化させる方法をこれから簡易的に書いていきます。

考えるプロセスと書くプロセスを分ける

もし「報告書や議事録がわかりづらい」と言われたことがあるなら、
その原因のほとんどは書く前の段階の伝えるべき考えを表現し構成する「考えるプロセス」にあるのです。

think-0.png

構成さえきちんとしていれば、格段になって悩む必要はない。
上図のピラミッドの原則は、特定の状況を想定したものではなく、
「考えて組み立て、チェックするための基礎ツール」であり、
自分の考えを伝えるすべてのライティングに適応できるものです。

第1章

読み手が知りたいことを書くために必要な分析:「OPQ分析」
OPQ分析とは、ビジネスシーンで最も必要な問題解決を重視した、SCQ分析の簡易版のことです。

O:Objective(望ましい状況)

そもそも読み手が現在の状況に至ったことには何らかの経緯があり、読み手はその流れの中で
より良い状況を求めています。
つまり、「O」は読み手が考えている達成すべき目標や改善後の姿などを指します。

P:Problem(問題、すなわち現状とObjectiveとのギャップ)

現状と「O」のギャップ、すなわち解決すべき問題のことを指します。
いわゆる「困った状況」のみを指しているのではありません。
ここで忘れてはいけないのは、問題とはあくまで「読み手」の問題だということです。

Q:Question(読み手の疑問)

「P」に直面した読み手が、その解決に向けて自然に抱くであろう疑問のことです。
ここでも読み手の視点をキープすることを意識します。

A:Answer(答え/文書の主メッセージ)

「Q」に対する答えが、そのまま文書の主メッセージになる。
大事なのは「Q」に対して忠実に答えることにある。
ここでいきなり、OPQの流れを無視するような答えを提示しないよう注意してください。

レール(トピック)

望ましい状況と現状を比較する際に大事なことは、同じモノサシ(レール)で比べるということです。
いざ問題に直面すると、事象の理解や分析に夢中になってしまうため、レールがずれていることに
気づけません。

think-1.png

気づけない。ということがないように、OPQ分析の感覚を掴むという手法が本書では挙げられています。
一つ例として記載しておきます。

練習問題【売上目標の達成】

山田社長は一年前に就任した信任社長です。売上拡大に意欲的で、就任後すぐに
「3年後に売上50%アップ」を目指す一大プロジェクトを立ち上げました。
これは、経営陣一同が練りに練った計画で、皆、十分に達成可能だと考えていました。

ところが、プロジェクト開始から半年も経たないうちに、上昇軌道にあった売上に
ブレーキがかかり始めました。このままでは目標達成が危ぶまれます。そこで、
経営コンサルタントであるあなたに分析を依頼してきました。

読み手は山田社長。
山田社長の立ち部で、OPQとレールを考えてみましょう。

ポイント

読み手の立場にどこまでなり切れるかが勝負。
実際にコンサルタントであれば、山田社長をはじめとする関係者に可能な限り
ヒアリングを行い、OPQを明らかにしていきます。

解答例

  • レール(トピック):売上目標
  • O(望ましい状況):「設定した売上目標を達成する」
  • P(問題):「上昇軌道にあった売上にブレーキがかかったために、目標達成が危ぶまれる」
  • Q(読み手の疑問):Pから発生される読み手の疑問はいくつか考えられます。読み手の状況を
    しっかりと調査し、最も適切な疑問を探します。
    (例)
    「売上目標を達成するにはどうしたら良いか?」
    「売上目標を下方修正すべきか?」
  • A(答え/文書の主メッセージ)
    (例)
    「売上目標を達成するためには、ーーーーすべきである」
    「売上目標は、今は達成すべきではない」

OPQ分析のコツ

最後に、OPQ分析のコツのおさらいをします。
読み手の理解はライティングの最重要事項です。
「もうすこし読み手に伝わるように書いてほしい」などと言われたことがある人は
以下のポイントを押さえることを心がけましょう。

①すべて読み手の視点で表現する

まずは読み手をしっかりとイメージし、読み手のO、読み手のP、読み手のQ、を考えます。
読み手のOPQがいまひとつわからないときは、

  • 直接聞く
  • 第三者を通して探りをいれる
    といったように情報収集に努めてください。
    読み手のOPQがわからない限り、説得力のある文書を書くことはできません。

②比較のレール(トピック)を外さない

レールがずれていると、目標と現状を比較できません。
レールはそのまま、文章のテーマとなるので、
比較のレールが何かを明確に認識することが大切です

③文章の主メッセージはQに直接答える

OPQ分析の主目的はどのような文書メッセージが求められているかを
明らかにすることです。
言い換えれば、文書メッセージが読み手のQに直接答えていないと、
この目的を果たすことができません。

以下に良い例と悪い例を記述しておきます。
Q:売上を増大させるにはどうすれば良いか?
【悪い例】売上低迷の最大の原因はーーーである。
【良い例】売上を増大させるにはーーーすべきである。

おわりに

次回は2章のこのようにOPQ分析したもの(考え)を
どのように形にしていくのかについて書いていきます!