【読書】新卒が『入門』考える技術・書く技術で必要な部分まとめてみた③

2023/12/03

考える技術書く技術
入門
ロジカルシンキング
新卒

ピラミッドの作り方

説得力のある文章を作るためにはシンプルなロジックを用います。
それが、「帰納法」と「演繹法」です。

①帰納法

帰納法とは複数の特定事象か(前提)から要約(結論)を導くロジック展開です
絶対的に正しい真実ではなく、前提から導かれた「論理的に」正しい推論です。
前提は1つでは論理的にはなりません。5つ以内を意識しましょう。

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もしかすると2つの心臓を持つ馬が存在するかもしれませんが、上記は論理的に正しい推論といえます。
前提の数が多ければ多いほど推論の正しさは強まりますが、それでも「推論」です。
絶対に2つ以上心臓を持つ馬がいないとは言い切れないので、推論には入りません。

「同じ種類の考え」を前提とする

馬の例は簡単でしたが、複雑なものになってきた時に困惑しがちです。
そこで意識してほしいこととして、

  • 「主部が同じ」
  • 「述部が同じ」
  • 「意味するものが同じ」

この中で「意味するものが同じ」というものが一番理解しづらいと思うので、図で表現します。

think-2.png

またピラミッドがうまくできているかをチェックするには、「つなぎ言葉」(接続助詞)を使います。

「つなぎ言葉」をメッセージ文の冒頭に入れてみる

  • 「なぜそう判断するかといえば」
  • 「なぜならば」
  • 「たとえば」
  • 「具体的には」

これらを書いてみた上で、
①文章の上下のつじつまが合っているか確認し
②下部メッセージ群のつなぎ言葉を見比る
ことを意識しましょう。

このことを踏まえて上の「日本の経済構造」について書き足してみます(つなぎ言葉)
think-3.png
3つともに上下の辻褄が合っているため、ロジックの構成はほぼ大丈夫といえます。

②演繹法

演繹法は帰納法ではなかった、絶対的に正しいことや一般的に正しいことから、妥当と思われる結論を導くものです。
同じく馬のロジックで例を作っていきます
think-4.png

ビジネスの世界では絶対的に正しい前提があまりないので、一般的に帰納法の方がよく使われます。
演繹法がよく使われるのは「過去や現実の事実」(絶対的に正しい)に
「正しい法則」や「妥当な過程」(一般的に正しい)を適用を推測する場合です。

(例)
前提:X事業は今のコスト構造のままでは、売り上げ100億円が損益分岐点になる
   X事業は、来期の売り上げはどう楽観的にみても95億円止まると見られる

結論:ゆえに、X事業は、コスト構造の改革に着手しない限り、来期は大幅な赤字になるだろう

前提の第一文は正しい分析(事実)です。第二文も正しい分析(事実と認めてよいこと)といえます。
つまり、第一文、第二文の分析が正しいかぎり、結論も正しいといえます。

ここでチェックすべき項目は「前提」です

  • X事業は今のコスト構造のままでは、売り上げ100億円が損益分岐点になる
    →本当に正しいと言えるか?
    →はい。この分析には疑問の余地がありません。

  • X事業は、来期の売り上げはどう楽観的にみても95億円止まると見られる
    →本当に正しいと言えるか
    →はい。これも疑問の余地がありません。

ゆえに、X事業は、コスト構造の改革に着手しない限り、来期は大幅な赤字になるだろう。

この帰納法・演繹法と一緒にピラミッドを作るコツを3つ意識しながらピラミッドを一つ下に表現します

  • 一つの考えを短く明快に
  • 主メッセージとキーラインを早めに決める(キーライン:下図のABのような主メッセージを直接指示するもの)
  • ピラミッド内で文書を書かない

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練習一択

これを1日1回×4ヶ月続けられると、ピラミッド構造が頭に染み付きます。
今日書いたメールや文書のうち、なるべく中身のあるものを1つ選び、10分で簡単なピラミッドを書きます。
ここでのルールとして

①ピラミッドは簡単に
②OPQを書き留める
③10分以内で終わらせる

例を挙げておきます。
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最初から複雑なピラミッドを書かなくても大丈夫です。
徐々に染みついていくにつれて、複雑なピラミッドに挑戦しましょう!
この練習を繰り返して、伝わる文章を書ける人になりたいですね。

おわりに

「考える技術・書く技術【入門】」はここで終わりです。
次は「ストーリーとしての競争戦略」という名著を複数の企業目線から紹介していきます。