こんにちは。みなさんはスライドを作成したことはありますか。もちろん業種や職種によりますが、PowerPointやGoogleスライドを使ってプレゼンや資料を作ったことある方が多いのではないでしょうか。今回はそんなスライド作成で使える実例が紹介された書籍をレビューしていきます。
ちなみに、「スライドを作れるようになる」というのは決してツールを使いこなす、デザインができるようになるということだけではないと思っています。つまり、どのような表現や順番で説明すれば相手にとって理解しやすいのかということを考えることのほうが大事だと考えていますので、その点を踏まえた感想であることをご理解いただければ!
前置きが長くなってしまっておりますがもう1点。上記のようなスライド作成の大前提や基本的なテクニックの話は割愛いたします。「それが知りたいんだよ!」という方は下記リンクのテクニック集をご覧ください。私も読みましたが、なぜ資料テクニックをアップしなきゃいけないかなどが分かりやすく説明されているので、人によってはこっちのほうが為になる情報になるかと思います。
▼外資系コンサルのスライド作成術 作例集: 実例から学ぶリアルテクニック(Amazon)
※アソシエイトリンクは使用しておりません
正直な感想
本書籍では約150ページにわたって46の実例が紹介されています。かなり具体的な内容なので、すぐに身につくテクニックというより、「このスライドは何がダメで、どう改善すればいいのか」を著者と一緒に考えながら読むのが楽しい本でした。また、どちらかというとビジュアルで説明するプレゼンテーションスライドではなく、報告資料や提案資料など、議論をするためのスライドとしての作例という印象を受けましたので、その点は購入前に理解しておいたほうがよさそうです。
そして出版年は2015年であることもあり、OK例でも少し古いデザインと感じる方もいるかもしれません。なので私は基本的にはすべて真似をするバイブルみたいな感じではなく、インスピレーションを得る(パクる)用の辞書として活用しています。
今回は46のテクニックのうち分かりやすかったものを例として紹介いたします。
事例紹介:視覚ボリュームのルール
視覚ボリュームの話は改めて気をつけないとなと思ったのでご紹介です。早速ですが、NG例を見てあなたはどのような感想を抱きますか? こんなもんでしょと思う方もいるかと思いますが、忙しい人がパッとこれを見て読む気になるかと言われれば改善の余地があると思います。
▼NG例
見づらい理由としては市場規模の数字と図形のサイズが合っておらず、視覚的にボリュームを認識するのに時間がかかるということ、どこを注目してほしいのかがわからないことが挙げられると思います。そこで本書籍ではOK例を下記として示されていました。
▼OK例
確かにおっしゃる通りだしOK例のほうが見やすいかと思いますが、当然誰向けの資料かで「見やすい」の捉え方は変わってきます。なので、あくまでも教科書的なNGとOKとして捉えておき、強調したい情報や聞き手の好みによってはNG例のほうが好まれる可能性があることは認識しておいてもいいかもしれませんね。
ここで私ならどうするかを考えてみたいと思います。プレゼン資料を作る機会が多いため、より直感的に伝えるにはどうすればと考えました。リード文を見るとA社が主語なので、グラフなどの情報もA社を主語に変更し情報をコントロールしています。また、市場規模については色の濃淡で表現してみました。テキストなどのサイズを変えるのも良いのですが、視認性が下がってしまう(この大きさの意味は?という情報処理に時間がかかる)ので。。
一方懸念として、情報を絞ったことで「システム運用に苦戦」というメッセージから派生する情報が伝わらない可能性があったので、もう1枚スライドを追加しています。この例でいうと、A社のポジショニングの話をしたほうがいいかと考えました。
最後に
おそらくこの本をきちんと理解できたなら、いわゆる「読む気が失せる資料」が出来上がることはなくなると思います。特に忙しい経営層や顧客が相手なら尚更このテクニックは生きるはずです。自分の感覚に依存せずに「わかりやすい」の判断をしようと思わせてくれました。
しかし、このようなテクニックを使っても、人によって評価が変わってしまうのがスライド作成であり、コミュニケーションの難しさだと思います。どんな人に何を伝えて何を持って帰りたいのかをしっかり考えた上で、構成やメッセージ、デザインを考えられるといいですね。
それではまた〜