経営共創基盤の冨山和彦さんの『コーポレートトランスフォーメーション』を読んだ。
一社員という視点ではなく、経営・会社全体を動かしていくということを視点に置いて書かれた本で、
世界と比べて経済的優位といいづらくなってきた現状でどうやって打破していくのか?
という視点に立ったときに、
個人的に印象に残った内容があったので、それについて自分のメモ用として書いていく。
その内容とは、
「日本の会社を根こそぎ変える」を進める方法論の一つの
「ガバナンスと社長指名のセット改革」についてです。
社長指名の仕組みを変えることが会社の変革にとって超重要
様々な変革方法があるなかでも、抵抗力少なく実行できるものの一つがこれらしい。
なぜ、抵抗力が少ないのか?というと、
取締役会の運営や社長の選抜・指名(及び解任)プロセスが透明化されることに、否定的な
一般社員はほとんどいないからである。
逆に、この方法に否定的になるであろう人たちは、
まだ影響力を行使したい経営者OB、後継者指名権を維持したい社長、取締役ポストを一つでも多く
自分たちに残したい、数少ない勝ち残りサラリーマン程度で、
これらの人たちは人数的にも、会社の未来を担っていく人材という意味でも
どうでもいい人たち。
だから比較的実行しやすい方法になるのである。
抵抗力になりうる人たちをぶった斬ることで、経営陣と取締役会への一般社員からの求心力は高まる。
具体的に起こること
まず、取締役会の役割が、執行の監督と会社の役割にかかわる重要な意思決定に明確化される。
それによって、意思決定のあり方、見え方が大きく変わる。
↓
業務執行はCEO以下の執行部がどんどん決定、実行することになり、責任の所在が明らかになる。
取締役会が空気に流されてうかつな意思決定をした場合は株主代表訴訟をくらうことになる。
改革的施策が増えていく
社長指名が行われるということは選挙に近くなる。
選出の成功確率を高めるために、様々な組織的施策に手をつけることが必然的になるし、
組織内だけでなく、採用の場にも注力し、次世代のリーダー候補層の厚みを増すために、
国籍・老若男女を問わずに人材を確保できる手を打たざるを得なくなる。
そうなってくると、執行役のクラスの多様化は確実的になってくる。
(中高年日本人男性ばかりの執行役員達という概念は消える)
著者は実践したらしい
この書籍の著者はオムロンをCXする際にこの手法を取り入れ、
社長指名委員会を据えて、組織変革を行った。
その結果として今の業績や組織状態があるそう。
最後に
会社を変えることに効くことはわかったが、
最近若い人たちが増えてきている、政治にも効果はあるだろうなと思った。