【読書】新卒が「エンジニアリング組織論への招待」を読んでみた①

2023/10/25

エンジニアリング組織論への招待
アジャイル

はじめに

新卒でPdMの役職として配属され、一歩目の本としてはめちゃくちゃ難しい一冊だったので、
「新卒」が理解できた、重要だと思った部分をいくつか抜粋して記事を書いていきます。

この本の特徴

この本の大前提として、
Webエンジニアとしての仕事とは「良いコードを書くこと」「悪いコードをリファクタリング」することではなく、
問題解決のために、コードのみならず、
人々の思考・組織・ビジネスの「構造」をリファクタリングするということ。
それこそがエンジニアリングの本質だということ
※リファクタリング:外部から見た時の挙動は変えずに、プログラムの内部構造を整理すること

エンジニアの問題としての根源は「わからない」という不安にある。
しかし、その先が見えないなどの「わからない」という「不確実性」の扱い方を知れば、
「不安」が「競争力」に変わる。
エンジニアリングに必要な思考はこの「不確実性」を力に変える点。

この「不確実性」→「力」の方法を構造化して伝えている一冊。

第1章

【情報を生み出すということ】

エンジニアリングとは「何かを生み出すということ」
つまり、その実現のためには不確実性の高い状態から不確実性の低い状態に効率よく移していく過程に行うすべてのことを指す。

「情報を生み出す」ということは「情報を生み出す」(不確実性を下げる)ということに他ならない。
いかにして多くの情報を生み出すのか、そのために何をすべきなのかを突き詰めることが重要。
このエンジニアリングの本質を「不確実性の削除」と理解していなければ、
確実でない実現手段にストレルを感じてしまい、
確実なものを確実な手段で提供するという状態からかけ離れたシチュエーションに陥る。

【仕事と学力テストの3つの違い】

学力テスト 仕事
人数 一人 複数人
情報 問題に書いてある 必ずしもあるわけではない
答え 決まっている 決まっていない(問題設定から始まる)

仕事の問題解決も学力テストも、どちらも頭を使って「問題を解く行為」ということには変わりはない。
3つの違いが仕事と学力テストにはある。
この違いが、「勉強はできるけど仕事はできない」と言われる人の特徴に結びつくのでは?

仕事において理解しておくべき思考方法

・論理的思考の盲点
・経験主義と仮説思考
・システム思考

一つずつ順を追って説明していきます。

・論理的思考の盲点
学力テストは、論理的思考を用いて行う。仕事も同じではあるが、複数人で行う。
そのため、人間関係や共同作業において、意識的、無意識的に感情的になってしまう。
立場の違う複数人で仕事を行なっていく上で陥るのが、コミュニケーションの失敗。
「あなたは自分ではない」という当たり前を忘れてしまい、自分の事情は全て伝わっていると勘違いする。

つまり、自分は論理的でなくなる可能性がある。
一人では起こるはずのない非合理な行動が、組織では発生してしまう。
このコミュニケーションの不確実性は

  • 他者理解の不確実性:人は他人や事象を完全には理解できない
  • 伝達の不確実性:コミュニケーションが到達するとは限らない
  • 成果の不確実性:仮に理解されたとしても、予想されたように行動するとは限らない

という3つの不確実性から生まれる。
他者にもその可能性があることを知った上で、どうこの不確実性を下げていくかという態度を持ちながら
問題解決に臨むことで、コミュニケーションの失敗による論理的思考の制限を塞げる可能性が生まれる。

・経験主義と仮説思考
学力テストでは教科書を見たら良いが、仕事は目の前や周りに答えが転がっていないことが大半。
つまり答えやそのヒントである情報を入手するためには、行動を起こし、その結果を観察し、
そこから問題解決を行うという考えを「経験主義」という。
行動を起こさない限り、「不確実」を「確実」なものにすることはできない。

つまり、答えは行動しない限り確かめられない。
また、限定されている情報であってもその情報から全体像を想定し、
それを確かめることで少ない情報から問題解決に向かう思考方式を「仮説思考」という。
この2つがあることで行動を起こし続け、答えに近づくことができる。

・システム思考
学力テストのように限定されている範囲では正解を一つにすることはできるが、
仕事においては全体像を見極めて、「正解を設定する」必要がある。
より広い範囲で問題を捉えるためにシステム思考をいう思考様式が必要不可欠。

「仕事の問題を学力テストの問題に置き換える」
問題を解けるようにしていく(問題が正しく明晰に記述できるようにしていく)ことで、
何をすべきかが見えてくる。
問題が難しく感じられる時、それは、まだ問題が十分に変改されていないため。

→上司や先輩といった人たちが仕事が自分より早い理由は、シンプルに経験を得たことで問題解決方法を瞬時に判断できる、またこの問題変換能力が高いからなのでは?と読んでいて感じました。

【システムとは全体の関係性を捉えるということ】

ここでは「要素還元主義」と「全体論」という二つの考え方が存在する。
要素還元主義とは、ロジックツリーのようなもので、より細かい要素に分解し、
その要素を性質を知ることですべての事象を説明できる。

その「細かい要素」の注目して、
その総和としては、全体の性質がわからないだろうという考え方を「全体論」という。

【要素還元主義】

  • すべても要素はツリー構造になっている
  • それらの要素は線形的な関係性を持っている
  • 要素の総和として全体の性質がわかる

【システム(全体論)】

  • すべての要素はネットワーク構造になっている
  • それらの要素は非線形な関係性をもっている
  • 要素の総和では全体の性質はわからない

直接的な関係性のある部分に分解して考えても、全体像を把握していなければ、
思いもよらない結果を生むことがある。
このように、要素の性質よりも、「要素同士の関係性」に注目して、
問題の構造を解き明かしていく考え方である「システム思考」が問題解決には適している。

→システム思考は本当の問題発見をする際に、その解決を個人の問題にせず、
関係性の問題に変換するという重要な考え方を提供してくれるもの。

おわりに

続いて2章に移ります!