はじめに
新卒でPdMの役職として配属され、一歩目の本としてはめちゃくちゃ難しい一冊だったので、
「新卒」が理解できた、重要だと思った部分をいくつか抜粋して記事を書いていきます。(2投稿目)
この本の特徴
この本の大前提として、
Webエンジニアとしての仕事とは「良いコードを書くこと」「悪いコードをリファクタリング」することではなく、
問題解決のために、コードのみならず、人々の思考・組織・ビジネスの「構造」をリファクタリングするということ。
それこそがエンジニアリングの本質だということ
※リファクタリング:外部から見た時の挙動は変えずに、プログラムの内部構造を整理すること
エンジニアの問題としての根源は「わからない」という不安にある。
しかし、その先が見えないなどの「わからない」という「不確実性」の扱い方を知れば、
「不安」が「競争力」に変わる。
エンジニアリングに必要な思考はこの「不確実性」を力に変える点。
この「不確実性」→「力」の方法を構造化して伝えている一冊。
第2章
【メンタリングとは】
ビジネスや教育の現場で「メンター」と呼ばれる年長者のを若いメンバー(メンティ)につけて、
良き導き手として、サポートする際の指導・支援方法のこと
エンジニアリング(技術力)というと、知識面が強調されることが多いように思われるが、
実際には心理的な課題と技術的な課題は密接に関係していおり、
ソフトウェア開発等を進めていく際に、メンタリングのテクニックが必要になってくる。
(例)コードレビュー、ペアプログラミング、障害時ハンドリング、チームマネジメント
コードレビュー
組織内で一方が書いたソースコードをレビュアーと呼ばれるその領域に知識のある人が、
確認・チェックし、問題点を指摘したり、改善を促す行為
ペアプログラミング
片方がプログラムを書く人(ドライバー)、
もう片方がどんな風に描くか考える人(ナビゲーター)に分かれて、ペアでプログラミングを行うこと
障害時ハンドリング
障害の発生状況や、課題の設定、事後対応に関して俯瞰的な目で情報の整理をしていく。
あわてず情報を整理し、事実と意見とを分け、
不確実な状況から順番に障害原因を特定していき、障害を収束させるためにチームを支援していく
チームマネジメント
「1:1」のメンタリングのテクニックが染み付いていないと
「1:多」でのチームマネジメントをうまく進めていくことは難しくなる。
その意味で、スクラムやアジャイルというのは、
チーム全体を自発的なものに変える集団メンタリングとも言い換えられる。
【効率的なメンター・メンティの関係性】
メンターの言葉が、メンティにとって「自分の行動を変えるもの」にするために必要な条件が3つある
- 謙虚:お互いに弱さを見せられる
- 敬意:お互いに敬意を持っている
- 信頼:お互いにメンティ(自身)の成長期待を持っている
これを同期や上司部下の関係で築いていくことは難しい
(弱みを見せられない、軽々者でないことから言葉が軽く見えてしまう)
うまくこの条件を満たしていく方法
- メンターとピアメンター
- 階段を上手助けをする
【メンターとピアメンター】
メンター:
メンティにとってロールモデルとなるような能力と経験を持った人物。
一定の距離感を持っているため、弱さを見せられない・十分に時間をかけられないなどの難しさもある。
→これを超える信頼があると、メンターの言葉はメンティに深く届く。
ピアメンター:
数年上の先輩が新入社員をサポートする形でとられる、
比較的距離が近く、ロールモデルとなるほど尊敬されているわけではない状況から始まるメンター関係
悩みを言いやすいが、尊敬度や信頼度を勝ち取ることが難しい関係になる
どちらも「何か課題を指摘する」ための存在でなく、
「課題に一緒に向き合い、成長を支援する」存在であるというコミットメントがあることで、
メンティに伝わり、信頼関係を構築していける
階段を上る手助けをする
個人の成長=成長の階段を上る、このために必要なものは
- 階段を意識させる
- 壁に梯子をかける
- 階段を上りたくさせる
階段を意識させる
単に階段があるよというのではなく、「足元は大丈夫?」といったような
メンティ自身に課題に気づかせることがとても重要で、積極的に解決に向かうことができる
壁に梯子をかける
課題によっては大きなものがあり、
シンプルな階段のように一段一段あるものではなく、大きな飛躍が必要な場合がある。
そういった場合に梯子をかける:メンティが一段ずつのぼっているかのような実感を与えるサポートをする
階段を上りたくさせる
小さな成長実感だけでなく、大きな目標達成やゴールの認識を合わせていくことが重要。
こうなりたいと思う状態をできる限りリアルに想像して、そこからの逆算をして、誘導していく
ジョハリの窓と心理的安全性
メンタリングにおいて、メンティの「開放の窓」を広げて、「未知の窓」に到達することを目指す。
しかし、自己開示もフィードバックも「対人リスク」を伴う行動。
そのため、メンティはメンターに対して、フィードバックを受ける・自己開示を行うことも躊躇してしまう。
これに対し、メンターは意識的にフィードバックを受けやすく、
自己開示された状態へと導けるようにする(開放の窓を広げるきっかけを掴む)
これによって、お互の間柄の「対人リスク」は減少し
「心理的安全性」を作り出し、生産的な関係を構築できる。
内心でなく行動に注目する
メンターが注目するのは「これからどうするか」を話し合って、次の行動を決めていくこと
→メンティーになる新卒の自分も「心構え」であったり、「力不足」など、
メンターから見た変えられないものに注目するのではなく、(もちろん変えていくことは重要だが)
SMARTの原則で行動を起こしていく
- Specific:抽象的でない行動で何をするのか解釈にブレの少ない言葉である必要
- Measurable:行動が行われたことを、どのようにして計測するのか合意する必要
- Achievable:精神論で過剰な数の行動をするのではなく、達成が可能な行動として合意する必要。
- Related:課題とどのように行動が関連しているのか十分にメンター自信が「説明できる」ような行動である必要
- Time-Bound:いつまでに行われるのか、いつまで測定されるのかということが具体的に決まっている必要
メンターが確認するだけでなく、メンティ自身も「その行動が取れたか」
「とれなかったか」を振り返るようにしておくことで観測可な行動にフォーカスできる。
おわりに
続いて3章に移ります!