フレームレートはどのように設定すべき?特徴を解説します

2024/06/22

動画編集

こんにちは。今回は「フレームレート」について掘り下げてみたいと思います。具体的には、映像制作の現場でどのようにフレームレートが選ばれているのか、各フレームレートの違いを映像の歴史にも触れながら解説させていただきます。

フレームレートとは?

まずはじめに、フレームレートについて簡単に説明します。フレームレートとは、1秒間に表示される静止画の枚数を示します。例えば、フレームレートが「30fps」であれば、1秒間に25枚の静止画が連続して表示されることを意味します。これが連続して表示されることで、私たちの目には滑らかな動画として映ります。

一般的なフレームレートの種類

次に、一般的に使われるフレームレートの設定について見ていきましょう。以下は代表的なフレームレートです:

  1. 24fps
    • 特徴:映画業界でよく使われる。
    • 利点:フィルムカメラの伝統に基づいており、シネマティックな雰囲気を持つ。
  2. 25fps
    • 特徴:PAL方式のテレビ放送で使われる。
    • 利点:ヨーロッパや一部のアジア、アフリカ諸国で標準的なフレームレートとされている。
  3. 30fps
    • 特徴:NTSC方式のテレビ放送やインターネット動画でよく使われる。
    • 利点:より滑らかな映像が提供され、スポーツ中継やニュース番組に適している。
  4. 60fps
    • 特徴:ゲームやYouTubeなどのインターネット動画で人気。
    • 利点:非常に滑らかな動きを実現でき、アクションが多いシーンに最適。

筆者が陥った罠:フレームレートの違いでタイムコードが書き出し時にズレる

たまに映像素材を25fpsいただくケースがあります。多いのはZoomでクラウドレコーディングしたデータとかのケースですね。そのままシーケンスにも25fpsを適用すれば全然問題ないのですが、たまにPremiereなどの設定で、自動で「23.976fps」になることがあります。この設定になってしまっている時は要注意で、30秒で3フレーム分ズレていき、動画時間が長ければ長いほどそのズレ時間は長くなってしまいます。

この件についてはAdobeも公式回答をしており、「23.976fpsの動画であれば、24fpsで、29.97fpsの動画であれば、30fpsの「ノンドロップフレーム」で作業する」のが解決策だとしています。(メニューバーにシーケンス設定があるのでそこから設定できます)

知っていればなんとでもないのですが、知らないと書き出し時に時間がズレていて、焦るので要注意ですし、なんとも動画編集には罠が多いので、今回のような最低限の動画知識は必要だと思える良い例だと思っています。

なぜ25fpsや24fpsが使われるのか

30fpsや60fpsはYouTubeの設定などでよく目にすると思います。それではなぜ、その規格に統一されずに、低フレームレートが今でも使われているのでしょうか。

まず、25fpsについてもう少し詳しくお伝えします。25fpsは主にヨーロッパで使用されるPAL(Phase Alternating Line)方式の放送で採用されています。これにより、映像が滑らかに動く一方で、少し柔らかい、もしくは映画的な雰囲気を持つことができます。

m25fpsについてもう少し詳しくお伝えします。25fpsは主にヨーロッパで使用されるPAL(Phase Alternating Line)方式の放送で採用されています。これにより、映像が滑らかに動く一方で、少し柔らかい、もしくは映画的な雰囲気を持つことができます。

特に、ドキュメンタリーやテレビドラマなどの映像作品で広く使われており、24fpsよりもわずかに滑らかな動きを提供します。また、25fpsはデジタル配信やDVD、ブルーレイなどでも非常に一般的です。

25fpsの具体例

例えば、ヨーロッパで制作されたテレビドラマや映画は、ほとんどが25fpsで撮影されています。さらに、インデペンデント映画やアートフィルムの制作でも、このフレームレートがよく選ばれることがあります。

24fpsの具体例

24fpsは映画業界でよく使われます。目で感じる方は相当の映像好きかと思いますが、この事実を知ったら30fpsよりも少しシネマティックな雰囲気というか、タメがあるというか、独特な雰囲気を感じやすいかもしれません。

ここで、なぜこのようなフレームレートの違いがでてきたのか、歴史に沿って解説いたします。

フレームレート進化の歴史

フレームレートの変遷は、技術の進化とともに深く関わっています。初期の映画はフィルムで撮影され、手回しカメラによって不安定な速度で上映されることが多かったです。このため、フレームレートは個々のカメラマンやプロジェクションオペレーターの能力に依存していました。

初期のフレームレート

1920年代から1930年代の映画は通常、16fpsから24fpsで撮影されていました。1927年に「ジャズ・シンガー」が公開されると、24fpsが音同期のための標準となり、現代の映画制作でもこのフレームレートが維持されています。

テレビ放送とその影響

第二次世界大戦後、テレビの普及とともに新たな標準が必要になりました。これにより、ヨーロッパではPAL方式の25fps、アメリカではNTSC方式の30fpsが採用されました。これらの標準は、電力供給の周波数—ヨーロッパでは50Hz、アメリカでは60Hz—に基づいています。

デジタル時代への突入

デジタル技術の進化により、より高いフレームレートが可能になりました。これにより、60fpsやさらには120fpsといった非常に高いフレームレートが一般消費者向けのビデオカメラやスマートフォンで使用可能になりました。特にスポーツやゲームの放送、映像コンテンツでは高いフレームレートが好まれています。

フレームレートの選び方

繰り返しになりますが、映像作品におけるフレームレートの選び方は、作品の目的や配信媒体によって異なります。困ったら下記のようにするのがよいでしょうし、依頼者に聞いてしまうのも良いと思います。

  • 映画やシネマティックな映像:24fps
  • ユーロ圏のテレビ放送やドラマ:25fps
  • 北米圏のテレビ放送やニュース:30fps
  • アクション満載のゲーム動画や高速スポーツ中継:60fps

まとめ

フレームレートは、映像作品の雰囲気や視聴体験を大きく左右する重要な要素です。
映像制作される際、どのフレームレートを選ぶかを考える上で、この記事が役立つことを願っています!