Photoshopの"色ズレ地獄"から抜け出す方法

2025/04/10

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こんにちは。
「Photoshopで完璧な色に仕上げたのに、書き出したら色が全然違う…?」
そんな経験、ありませんか?

時間をかけて細部まで調整したはずなのに、書き出してSNSにアップしたら「なんか違う…」と落胆するあの瞬間。これは、Photoshopユーザーにとって避けて通れない悩みの一つです。

例:

  • スマホで見ると、全体的にくすんで見える
  • SNSにアップしたら、色味が濁っているように感じる
  • 印刷してみたら、画面の色と全然違う
  • 他人のパソコンで見たら、色味のバランスが崩れていた

このような「色の違い」は、見る側の環境に依存しているように見えますが、実は作業側の設定ミスや知識不足によるケースも多いです。


なぜ色が変わるのか? ― 原因は「カラープロファイル」

Photoshopの中で見ていた色と、書き出したあとの色が異なる主な原因は、「カラープロファイル(色空間)」の違いです。

カラープロファイルとは?

カラープロファイルとは、画像がどのように色を解釈すべきかを定義する情報です。代表的なものに「sRGB」「AdobeRGB」「Display P3」などがあり、それぞれカバーする色域(再現可能な色の範囲)が異なります。

よくある原因3つ

1. sRGB以外で作業している

AdobeRGBやDisplay P3など、高色域のプロファイルで作業していると、Webやスマホの環境では本来の色を正しく表示できず、くすんで見えることがあります。特にSNSやメールで共有する画像は、sRGB以外の色域に非対応なケースが多いため注意が必要です。

2. カラープロファイルが埋め込まれていない

書き出し時にプロファイルを埋め込まないと、閲覧側の環境で自動的に別のプロファイルに変換され、意図しない色味になることがあります。プロファイルを付けていない画像は「色の再現ルールが不明」な状態になるため、見る人によって色が変わってしまうのです。

3. 書き出し形式によって勝手に変換されている

「Web用に保存(従来)」を使用すると、自動でsRGBに変換されますが、その際に微妙な色ズレが発生することも。思い通りの発色をキープするには、どの書き出し機能を使うかも重要です。


解決策

色ズレに悩まないための具体的な対策をご紹介します。

1. カラー設定を「sRGB」に統一する

Photoshopのメニューから 編集 → カラー設定 を開き、作業用RGBを sRGB IEC61966-2.1 に設定します。これにより、最初からWebやスマホでの表示に最適化された色空間で作業できるようになります。

2. 書き出し時に「プロファイルを埋め込む」をONにする

ファイル → 書き出し → 書き出し形式 に進み、「カラープロファイル(sRGB)を埋め込む」にチェックを入れてから保存します。これにより、画像にsRGBのルールが明記され、閲覧側で正しく色が表示されやすくなります。

3. 出力先での見え方を実際にチェックする

作業用モニターが広色域(AdobeRGBやDisplay P3)の場合、Photoshop上で鮮やかに見えていても、実際の閲覧環境ではくすんで見えることがあります。画像を書き出したあとは、スマホ・一般的なノートPC・ブラウザなど、実際の表示環境で確認するクセをつけましょう。

4. 必要なら「表示」設定も確認する

Photoshopの 表示 → 校正設定 を「Web表示用カラー」に設定しておくと、実際のWeb表示に近い見え方で作業が可能です。


まとめ

Photoshopでの「色ズレ」は、正しい設定と理解があれば防ぐことができます。

  • カラープロファイル(色空間)の基礎を理解する
  • 作業開始時からsRGBで統一しておく
  • 書き出し時にプロファイルを必ず埋め込む
  • 出力後は実際の使用環境で見え方を確認する

参考になれば幸いです!