事業の現状
Iroriが行っている事業の一つにSNS戦略を利用しているものがある。
この本を読んでその戦略にまだまだ改善の余地があるなと思ったので、
そのことについて言語化しようと思う。
今までの戦略
ターゲットにしたい事業会社から認知を得るために、
その事業会社がターゲットにしている顧客層をフォロワーにしていく
→そのフォロワーが多ければ、事業会社は自社のSNSにお金を叩いてくれる
この程度の戦略で動いていた。
実際にそれだけでも営業はかけずともお話しをいただけるようなアカウントには
成長させることができているが、まだまだもっといろんな事業会社と仕事をしていきたいので
足りていなかったなと思う観点を書いていく。
足りてなかったこと
何を売るか?を明確にしていなかったこと
「認知度があがればもっと売れるはず!」
→今日まで自分が考えていたことで「ぎくっ」とした。
認知度が向上すれば売り上げが向上するという浅はかなロジックを捨てて、
どの説明変数がアウトカムに寄与するのか?を考えることで売り上げにつながる
という思考方法に変える
例として挙げると、
数あるブランドイメージ’の中で、高級感や品質ではなく、「親しみやすさ」で
購買の割合が大きく変わるという結果が出た場合、これ以上高級感や品質を上げなくていい。
とはいえ、その「親しみやすさ」を見つけるのが難しい。
その良い影響を与える説明変数の見つけ方についてもここには記載されていた。
質的調査と量的調査の組み合わせること
- 質的調査:インタビューや行動観察を行うこと
- 量的調査:統計解析を行うようなデータを得ること
この二つがあることで、人や社会の行動や思考を紐解いていくことができる。
つまり、大きな影響を与える説明変数を特定できる。
まず「量」について。
統計解析を行うことができるデータとは、顧客に「yes / no」などという
簡単に回答できるクローズドクエスチョンと呼ばれる質問に対しての答えのこと。
これによって、価値を分析することはできるものの、
その質問自体が、これまで考えてこなかったものや、これまでの考えを覆すようなものには出会えない。
それを補ってくれるのが「質」。
「yes / no」ではなく、5W1Hを投げかけることで、人によって無限に近い答えを得られ、
その中から、質問者も想像していなかったような答えに出会うことができる。
これは、製品やサービスの作り手と、実際に購買するユーザーの属性や心理状態が大きく離れている場合に効果がある。
(例えば、家事をしない中年男性が20代女性に向けた家電製品を開発するなど。)
こういうギャップを埋めるにはもってこいの手法である。
とはいえ、どんな質的質問を投げかけるのがいいの?という考えが過ぎる。
そういう、質的調査をしたことがない人でも有益な調査を行うためには「行動科学理論」というものに
基づくことである程度担保できるらしい。
行動科学理論って?
行動科学理論とは、人が何によって行動を変えるのか?を理解するための理論である。
「人の行動は何によって影響を受けるのか?」は
- 知識
- 意図
- 環境
で網羅できるらしい。
まず土台として行動の意図が生まれ、その後に知識や環境で行動の有無が左右される。
この「意図」は何にとよって生まれるかというと
- 態度
- 規範
- 自信
の3つから生まれるらしい。一つずつ言語化していく。
態度
態度とは、ある行動に対して回答者自身がどのように評価しているか?という点のこと。
「かっこいい」と思うか、「時代遅れと」感じてしまうかなど、あらゆる表現で
商品自体や商品を購入・使用する行動を評価する。
この評価が「意図」に関与してくる。
規範
これは本人ではなく、周りがその行動をしているか?ということ。
購買の要因として、〇〇が買ってるから自分も買うということある。
こういう関係性から影響が生まれていくことも頭に入れる。
自信
これは心理的なハードルがないか?ということ。
商品は良いと思うが、いざ買うとなれば店が遠い。価格がわかりにくい。
などのハードルがあるかもしれない。
「どのような状況であれば買いたいときに買える気がするのか?」という
「自信」についてわかれば、それを解決するような商品ラインナップや
販路、広告戦略などが機能するという可能性が示唆される。
これらを活かしてより精度高く重要な説明変数を特定していく。
終わりに
自分がかなり浅はかに広告戦略を立てていたなと反省できる書籍だった。
実際に顧客と話をさせてもらえるときに、
この行動科学理論に基づいた、不自然のないような質問をなげかけて顧客のインサイトを読み取っていきたい。
その上でこの読み取れたインサイトを活かして、SNSをアップデートしていこうと思う。