Kiro × Claude Codeで爆速開発!

2025/07/18

Kiro

「コード書くの、もう疲れた...」

そんなあなたに朗報です。AWS発の新IDE「Kiro」と「Claude Code」を組み合わせることで、開発速度が3倍に向上しました。

仕様書を入力すれば30分後には動作するコードが完成。長時間かかるリファクタリングも、Autopilotが自動で処理してくれます。これこそが次世代の開発スタイルではないでしょうか。

リリース直後から3日間徹底的に使用して明らかになった「爆速開発の極意」を、失敗談も交えながら詳しく解説します。


1. 3分で理解する Kiro × Claude Code の威力

なぜ「爆速」なのか?3つの理由

1. 仕様書ファーストで手戻りゼロ
最初に仕様を固めるから、「あ、そういうことじゃなくて...」がなくなる。

2. Claude Sonnet 4 標準搭載
API料金を気にせず制限なく使用可能。さらにClaude Code(Opus 4)とも連携できます。

3. バックグラウンドで勝手に働く
ファイル保存したら自動でテスト生成、コミットしたら自動でドキュメント更新。手動作業から完全に解放されます。

Kiro と Claude Code の最強タッグ

Kiroの標準AIは Claude Sonnet 3.7/4 ですが、より強力な Opus 4 を使いたい時は?

実は、Claude Code(CLI版)と連携することで、Kiro内から Opus 4 を呼び出せるんです。方法は簡単:

# Claude Code CLIをインストール
uvx anthropic.claude-code@latest

これで大規模リファクタリングや複雑な設計タスクも余裕です。


2. 5分でセットアップ!今すぐ始める爆速開発

2-1. ダウンロード〜起動まで

公式サイトの Downloads から macOS(Apple Silicon/Intel)または Windows 版を取得。ZIPを解凍してアプリケーションフォルダへドラッグ&ドロップするだけ。

2-2. Python環境の準備(MCP用)

Kiroの真価を発揮するMCPサーバーはPython製が多いので、uv という爆速パッケージマネージャーを入れておくと便利:

# macOS/Linux
curl -LsSf https://astral.sh/uv/install.sh | sh
uv python install 3.10   # 必要なら

最初は「uv」という新しいツールに戸惑いましたが、実際に使用してみるとpipの10倍以上の速度で動作し、その性能に驚きました。


3. 必須機能だけ覚えればOK!UI速習ガイド

VS Code使いなら迷うことはほぼありません。違うのはこの3つだけ:

機能 場所 何ができる?
Spec ビュー 左サイドバー📝 仕様書の自動生成・編集
Agent Hooks 左サイドバー⚙️ イベント駆動の自動化設定
チャットモード切替 チャット右下 Vibe(雑談)⇔ Spec(仕様作成)

特に Agent Hooks が革新的です。「ファイル保存時にテスト生成」「コミット時にドキュメント更新」といった設定をGUIで簡単に構築できます。シェルスクリプトの記述は不要になりました。


4. VS Code使いが感動した3つのポイント

1. プロセスが逆転してる

  • VS Code:コード書く → ドキュメント書く(忘れがち)
  • Kiro:仕様書作る → コード自動生成 → 常に同期

2. AI機能が「おまけ」じゃない

VS CodeのCopilotは便利だけど、あくまで補助。Kiroは最初からAIありきの設計で、全ての機能がAIと連携してる。

3. 優れたコストパフォーマンス

プレビュー期間は無料で利用可能。正式版でもPro($19/月)でSonnet 4が使い放題となり、APIを直接利用するよりも大幅にコストを削減できます。


5. 実践!Kiro × Claude Codeで爆速開発

5-1. 最強のワークフロー:Kiroで仕様書 → Claude Codeで実装

ついに見つけました、最強の開発フロー。Kiroで仕様書を作成して、Claude Codeで実装する。これが爆速開発の極意です。

なぜこの組み合わせが最強なのか?

  • Kiro: GUIで直感的に仕様書作成、チーム共有が簡単
  • Claude Code: CLIでコマンド一発実装、大規模な変更に強い

実際にやってみたら、想像以上にスムーズでした。

5-2. 実例:ユーザー管理機能を爆速実装

先日、実際にユーザー管理機能を実装した手順を公開します。

Step 1: Kiroで仕様書作成(10分)

# Kiroのチャットで入力
「ユーザー管理機能の仕様書を作成して。
必要な機能:
- ユーザー一覧表示(ページネーション付き)
- ユーザー詳細表示
- ユーザー作成・編集・削除
- 権限管理(Admin/User)
- メール通知機能」

Kiroが自動生成した仕様書:

  • .kiro/specs/<slug>/requirements.md - 機能要件
  • .kiro/specs/<slug>/design.md - システム設計
  • .kiro/specs/<slug>/tasks.md - タスク一覧

Step 2: CLAUDE.mdを作成(5分)

プロジェクトルートに CLAUDE.md を作成:

CLAUDE.md
# CLAUDE.md ― Claude Code 初期プロンプト

> **あなたは Kiro IDE が自動生成した仕様書 (spec) を正確に読み取り、高品質なコード・テスト・ドキュメントを最速でアウトプットする優秀なエンジニアです。** 本ファイルは Claude Code がセッション開始時に必ず取り込む "専用プロンプト" です。ここで定義されたルールを遵守し、以後の対話・コマンド実行に活用してください。

---

## 0. TL;DR

* **spec 配置場所**: リポジトリ直下の `.kiro/specs/<service‑slug>/` ディレクトリ (構造例は §1)。
* **あなたの役割**: spec → 要件抽出 → 設計 → 実装 → テスト → diff 出力。
* **出力フォーマット**: `tree` 一覧 + 変更ファイルごとのコードブロック (詳細は §4)。
* **厳守**: コーディング規約・セキュリティポリシー・ 8 k トークン以内。

---

## 1. Kiro が生成する spec の構造 (実例)

.kiro/
 └── specs/
      └── simple-crm-service/
           ├── design.md       # UX/アーキテクチャ設計
           ├── requirements.md # 要件 & ユースケース
           └── tasks.md        # 実装タスクリスト

**共通ルール**

1. **service‑slug** はスネークケースまたはケバブケースでプロジェクトを一意に識別。
2. 各 Markdown ファイルは見出しレベル `##` 以下で機械可読なセクションを持つ。
3. Claude は **最新コミット** 時点で最深ディレクトリの spec を優先的に読み込む。

### `design.md` (実例 抜粋)

# 設計書

## 概要
シンプルなCRMサービスは、Next.jsをフロントエンドとし、AWSサーバーレスアーキテクチャをバックエンドとするWebアプリケーションとして設計します。AWS Amplify + Lambda + API Gateway + DynamoDB + Cognitoを活用し、完全にAWSエコシステム内で統一されたスケーラブルで運用コストを抑えた構成とします。

# Design – Simple CRM Service

## Overview
小規模事業者向け CRM のフロントエンド SPA。

## Architecture
- Next.js 14 + App Router
- tRPC + Zod
- Database: Supabase Postgres

## UX Principles
1. ワンクリックで顧客リストを CSV 出力
2. 主要画面は 3 ステップ以内に到達


### `requirements.md` (実例 抜粋)

# 要件定義書

### 要件1:顧客情報管理
**ユーザーストーリー:** 営業担当者として、顧客の基本情報を登録・管理したいので、効率的に顧客とのやり取りを行えるようになりたい

- 必須項目: 会社名、担当者名
- エッジケース: 未入力時はバリデーションエラー

# Requirements – Simple CRM Service

## User Stories
- **US‑001**: 事業者は顧客を登録したい (必須フィールド: name, email)
- **US‑002**: 顧客リストを検索・フィルタしたい

## Acceptance Criteria
| ID | 条件 | 結果 |
|----|------|------|
| AC‑001 | 未入力フィールドがある | バリデーションエラー表示 |


### `tasks.md` (実例 抜粋)

# 実装計画

- [x] 1. プロジェクト基盤とAWS Amplify Gen2セットアップ
- [x] 2. 認証システムの実装 (Amazon Cognito)
- [x] 3. DynamoDBテーブル設計と基本CRUD操作
- [ ] 10. 統合テスト実装

# Tasks – Simple CRM Service

- [ ] DB schema: customers(name, email, phone)
- [ ] API: POST /customers
- [ ] UI: 顧客登録フォーム
- [ ] E2E: Playwright シナリオ

---

## 2. 作業フロー (推奨)

1. **spec 提出**: 開発者が `.kiro/specs/<slug>/` に PR。レビュー後 `main` へマージ。
2. **Claude セッション開始**: 本 CLAUDE.md と最新 spec が自動読み込み対象。
3. **実装提示**: Claude は差分パッチ (コード & テスト) を生成し PR コメントとして返す。
4. **CI**: テスト・Lint が通過したら人間レビュー → マージ。

> **Clarify First** — 要件が不明瞭な場合は実装せず `<!-- QUESTION: ... -->` 形式で質問を返す。

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## 3. コーディング規約 (汎用)

* **言語 / フレームワーク** はリポジトリに合わせて自動検出する。

  * 例: `package.json` が存在 → Node.js / TypeScript、`Gemfile` → Ruby on Rails。
* **インデント**: 言語既定が無い場合は 2 スペース、タブ禁止。
* **命名**: `camelCase` for JS/TS, `snake_case` for Python/Ruby, `PascalCase` for classes。
* **型安全**: 可能な限り `any` やダックタイピングを避け、型定義を付与。
* **ファイル配置**: フレームワーク標準に従う (例: Rails `app/models`, Next.js `app/`)。

*(詳細なプロジェクト固有ルールは **`/docs/STYLEGUIDE.md`** や ESLint/RuboCop 設定を自動参照)*

---

## 4. 出力フォーマット (厳守)

1. **ツリー** (text) ― 変更ファイルのパスを羅列。
2. **コードブロック** ― 各ファイルを `<lang> path/to/file` ラベル付きで連続出力。
3. **メタ情報** ― 必要最小限の要件抜粋・設計意図 (各 200 字以内)。
4. **禁止** ― 不要な挨拶・謝罪・長文・重複説明。

---

## 5. セキュリティ & ライセンス

* `.env*` や資格情報を生成・出力しない。
* ライブラリ追加時: `package.json` / `Gemfile` にバージョンピン & 理由コメント必須。

Step 3: Claude Codeで実装(20分)

# Claude Code起動
claude

# プロンプト
「CLAUDE.mdとspecs/ディレクトリの仕様書を読んで、
ユーザー管理機能を実装してください。
モデル、コントローラー、テストを全て作成してください。」

Claude Codeが自動的に:

  1. 仕様書を読み込み
  2. 必要なファイルを生成
  3. テストも含めて実装
  4. マイグレーションファイルも作成

Step 4: 動作確認とフィードバック(5分)

# テスト実行
bundle exec rspec

# 開発サーバー起動
rails server

気になる点があれば、Claude Codeに追加指示:

「ユーザー一覧のN+1問題を解消して。
あと、管理者以外は他のユーザーの詳細を見れないようにして。」

5-3. さらに効率化するTips

1. Kiroの仕様書をGit管理

git add specs/
git commit -m "Add user management specifications"

仕様変更の履歴が残り、チームレビューも可能に。

2. Claude Codeのエイリアス設定

# ~/.zshrc に追加
alias kiro-impl="claude --model claude-3-opus-20240229"

3. 仕様書テンプレートを活用

よく使う機能の仕様書テンプレートを用意しておくと、さらに高速化:

specs/templates/
├── authentication.md
├── crud.md
└── notification.md

6. 最強プラグイン!MCP サーバーで更に加速

6-1. AWS Documentation Server - インフラ設計の相棒

AWS全サービスのドキュメントを瞬時に検索・参照。「このサービスの制限は?」みたいな質問に即答してくれる。

~/.kiro/settings/mcp.json
{
  "mcpServers": {
    "aws-docs": {
      "command": "uvx",
      "args": [
        "awslabs.aws-documentation-mcp-server@latest"
      ],
      "env": {
        "FASTMCP_LOG_LEVEL": "ERROR"
      },
      "disabled": false,
      "autoApprove": [
        "search_documentation",
        "read_documentation"
      ]
    }
  }
}

使い方:チャットで「Lambda の同時実行数の上限は?」と聞くだけ。

6-2. GitHub MCP Server - PR作成まで自動化

この機能は特に強力です。Issue作成、PR作成、レビューコメントまでAIに完全に委任できます。

~/.kiro/settings/mcp.json
{
  "mcpServers": {
    "github": {
      "command": "npx",
      "args": [
        "-y",
        "@modelcontextprotocol/server-github"
      ],
      "env": {
        "GITHUB_PERSONAL_ACCESS_TOKEN": "github_token_here"
      },
      "disabled": false,
      "autoApprove": [
        "search_repositories"
      ]
    }
  }
}

8. 3日間使い倒して分かった本音レビュー

👍 よかった点

1. ドキュメントが腐らない
コードとドキュメントが常に同期。これだけでも導入価値あり。

2. レビューが楽になった
先に仕様書PRを出すから、実装前に方向性を確認できる。手戻りが激減。

3. 定型作業から解放
テスト書き、ドキュメント更新、コード整形...全部自動化できて最高。

👎 イマイチな点

1. 軽いタスクには重い
「ちょっとconsole.log追加したい」みたいな時は、普通にVS Code使った方が速い。

2. 英語UIに慣れが必要
Hookのテンプレートなどが全て英語表記。ただし、1時間程度で慣れることができました。

総評

「AIに仕事を奪われる」という懸念がありますが、実際は「単純作業をAIに任せられる」という方が正確です。

本質的な設計やユーザー体験の議論に時間を使えるようになったことが最大の利点です。コーディングは手段であり、価値を届けることこそが目的なのです。


9. 結論:もう手動コーディングには戻れない

Kiro × Claude Code の組み合わせは、開発スタイルを根本的に変革します。

特に感動したのが 「仕様書ファースト」 の考え方。今まで「とりあえずコード書いて、後でドキュメント...(忘れる)」だったのが、最初から整理された状態で進められる。

こんな人におすすめ:

  • ドキュメント書くのが苦手(AI が代わりに書いてくれる)
  • 定型作業にうんざり(全部自動化できる)
  • 最新のAI開発を体験したい(これが未来のスタンダードになりそう)

正式版のロードマップでは、チーム開発機能やIAM連携も予定されています。VS Codeに戻ることは難しいかもしれません。

まだプレビュー版のため無料で試すことができます。ぜひ一度お試しください。「もっと早く導入すべきだった」と感じることでしょう。

開発がより充実したものになることをお約束します。


参考リンク

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