こんにちは。今回はPremiere Proの動画書き出しミスのあるあるを6つご紹介したいと思います。
動画の書き出しなんてデフォルト設定でいいでしょと侮るなかれ。落とし穴が結構あるので、より効率的に動画を書き出すために筆者の失敗から学びましょう。
あるあるをご紹介する前に、復習がてらPremiere Proで設定できる書き出し設定をおさらいします。
Premiere Proの書き出し方法
ステップ1: プロジェクトの編集が完了
まず、動画の編集がすべて完了しているか確認しましょう。トランジション、エフェクト、音量調整、カラーコレクションなど、すべての編集が完了してから次のステップに進んでください。
ステップ2: シーケンスを選択
タイムライン上で書き出したいシーケンスを選びます。複数のシーケンスがある場合は、正しいシーケンスを選んでいるか確認しましょう。
ステップ3: 書き出しウィンドウを開く
次に、書き出しウィンドウを開きます。
- メニューバーから「ファイル」→「書き出し」→「メディア」を選択します。
- またはショートカットキー「Ctrl+M」(Windows)/「Cmd+M」(Mac)を使うこともできます。
どちらかの方法で書き出しウィンドウが開きます。
ステップ4: 出力形式の選択
書き出しウィンドウで「形式」を選択します。「H.264」が一番おすすめです。迷ったらこれ、他にどういう形式があるのか分からなかったらこれです。
ステップ5: プリセットの選択
「プリセット」メニューから適切な出力設定を選びます。YouTube用、Vimeo用、高品質出力用など、Premiere Proにはたくさんのプリセットが用意されています。例えば、YouTubeにアップロードする場合、「YouTube 1080p HD」プリセットを選べばOKです。
ステップ6: 出力名と保存先を指定
「出力名」をクリックして、ファイルの名前と保存先を指定します。保存先をしっかり確認してから次に進んでください。
ステップ7: 書き出し設定を確認
ビデオやオーディオの設定を確認します。フレームレートは過去の記事で解説しているので興味あればぜひ!
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フレームレート
- 映画のようなシネマティックな見た目:24fps
- テレビ放送や一般的なビデオ:30fps
- 動きの多いスポーツやアクション:60fps
▼過去記事:フレームレートはどのように設定すべき?特徴を解説します
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ビットレート(目安)
- YouTube 1080p HD:8 Mbps(目標ビットレート)、16 Mbps(最大ビットレート)
- YouTube 4K UHD:35-45 Mbps(目標ビットレート)、53 Mbps(最大ビットレート)
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オーディオ
- サンプルレート:48 kHz
- ビットレート:320 kbps(高品質)
書き出しのステップを整理できたところで、本題のあるあるをご紹介していきます。
あるある1:動画を書き出してから編集ミスに気づく
これはみんな経験したことがあるんじゃないかというぐらいよくあるやつですね。ミスを減らすためにチェックリスト的に下記について気をつけるのが良さそうです。それにしても長時間かけて書き出した動画にケアレスミスがあったときの絶望感…。
- タイムライン全体をプレビュー
- イン点とアウト点が正しく設定されているか最終確認。
- オーディオレベルの確認
- ヘッドフォンやスピーカーで音声の均一性とバランスを確認。
- エフェクトとトランジションの確認
- すべてのエフェクトやトランジションが正しく適用されているかチェック。
- エクスポート設定の見直し
- 解像度、ビットレート、出力形式を適切に設定。
- テスト書き出し(余裕があれば)
- 短いクリップを試しに書き出して、設定が正しいか確認。
あるある2:無駄に高品質で書き出している
昔は「大は小を兼ねる的な感じでとりあえず高品質にしとけばいいっしょ!」と思っていましたが、大間違いでした。無駄に高品質にしてしまうと、書き出し時間もかかるし、先方の通信環境やアップロード先によっては迷惑がかかることもしばしば。
動画素材の品質や利用用途をちゃんと把握して、フレームレートやビットレートを設定するのが吉です。
高品質で書き出したい場合
映像作品などの場合です。個人的には大切な家族の動画とかは「ここ荒いな」とか思いたくないので高品質で書き出しちゃってます。
- 形式:H.264
- プリセット:高品質出力用(例: YouTube 4K UHDやビデオマスター版)
- ビットレート設定:ビットレートを最大限に(ターゲットビットレート35-45 Mbps、最大ビットレート53 Mbps)
- 解像度:プロジェクトに合わせる(例: 4Kなら3840x2160)
低画質でOKな場合
確認用の動画を出すときなどですね。なるべくファイルサイズを抑えたいならビットレートの値で調整します。また、低画質の書き出しだとソフトウェアエンコーディングではなく、ハードウェアエンコーディングで十分です。結構書き出し速度変わると思います。
- 形式:H.264
- プリセット:ソーシャルメディア用や低解像度プリセット(例: YouTube 480p SD)
- ビットレート設定:低めに設定(ターゲットビットレート4-6 Mbps)
- 解像度:低解像度(例: 720pや480p)
あるある3:フレームレートの問題でタイムスタンプ等がズレている
これは過去記事で紹介したやつですね。細かい内容は省きますが、基本的にはフレームレートで小数点が出てきたらおやおやとちゃんと調べたほうがいいです。迷ったら30fpsに統一すれば失敗はないです。でも、素材のフレームレートは参考に見ておくようにしてください!(60fpsの素材だと30fpsに落とすことになり、視聴者体験が下がるおそれがあるため)
おかしくなる原因1:素材のフレームレートが一致していない
30fpsで撮影した映像と24fpsの映像を同じタイムラインに配置し、編集すると、映像がカクついて見える部分や音声がずれている部分が発生する可能性があります
おかしくなる原因2: 出力設定のフレームレートにミスがある
60fpsのゲームプレイ映像などの編集の場合、120fpsの素材なのに書き出し設定を30fpsにしてしまうと、再生すると動きがなめらかでなくなり、タイミングも微妙にズレてしまう恐れがあります。
あるある4:書き出し先がクラウドファイルになっている
最近はGoogleDriveやBOXなどのクラウドファイルへ直接書き出す方もいますが、PCの負担が増えてしまうのでやめておいたほうがよいでしょう。
それでもクラウドファイルにするメリットはありますので、総合判断はお任せします。
デメリット
- PCの負荷が上がる
- インターネット環境が必要になり、アップロードミスが起こる可能性がある
- クラウドストレージの容量が足りず、ミスになる可能性がある
メリット
- 共有しやすい
- ローカルストレージ容量の節約になる/バックアップになる
あるある5:Photoshop等を開いたままでPCがアッチアチ
Photoshopなどを開いたままにすると書き出し速度が遅くなる可能性があります。理由としては、ハードウェアリソースの消費が激しい、バックグラウンドプロセスが実行されているのでシステムリソースが消費され続けている、ディスクスペースが不足しやすいなどがあげられます。
なので、書き出しをするまえに不要なアプリケーションは閉じておきましょう!焦っていても絶対やってください。
あるある6:オーディオが特に意味もなくステレオになっている
最後のあるあるは音についてです。音はすごく奥が深いので詳しくは別の機会に…と思っております。お読み頂いている方の中には「ステレオってモノラルよりも新しいしそのほうがいいんじゃない?モノラルって古いイメージある」と考えられている方がいるかもしれません。かくいう私もその一人でした。
しかし、外部接続マイクを使用するとステレオのうち片耳しか有効になっていないとかが発生します。その際、モノラルで出力すると問題なかったりするので、特にオーディオ体験にこだわる必要がない場合は、積極的にモノラルにしておきましょう。
以上、動画ソフトで動画を書き出す際に気をつけたいあるあるというかポイントでした。
ありがとうございましたー