[生成AI] Web開発に有効なMCP5選

2025/10/13

生成AI
Claude Code
Codex

こんにちは。

最近の Web 開発は「AI がコードを書く」だけでは物足りなくて、ドキュメントを読み、ブラウザを操作し、CI を見て……と実務の周辺まで面倒を見てほしくなります。

そんなとき頼りになるのが MCP(Model Context Protocol)

生成 AI と外部ツールの橋渡しをする標準で、エージェントに安全かつ再現性のある “手足” を生やせます。

Chrome 公式ブログでも「DevTools の力を AI エージェントに持ち込める」仕組みとして紹介されており、旧来の「AI は環境が見えない」という課題を一気に解消してくれました。(Chrome for Developers)

この記事では、私が Web 開発でよく使う MCP サーバーを 5 つに絞って紹介します。どれも実務で役立ったものばかりです。


MCP を選ぶときの視点

  • 何を補強したいか? ドキュメント、決済、ブラウザ、リポジトリ、E2E……用途を絞ると導入が楽になります
  • 導入が簡単か? npx で動かせるか、リモート接続で済むかをチェック
  • 安全に使えるか? OAuth や権限分離が整っているか、監査ログを残せるかを確認

では、具体的に 5 つの MCP を見ていきましょう。


1. Context7 ─ “最新版ドキュメント”を AI に注入する

モデルの学習データはどうしても古くなります。Context7 は Upstash が提供する MCP で、React や Next.js など人気ライブラリの最新ドキュメントやコード例を即座に AI のコンテキストに流し込むことができます。プロンプトに use context7 と添えるだけで、幻の API を提案されるリスクがグッと下がりました。(GitHub)

最小セットアップ

{
  "mcpServers": {
    "context7": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@upstash/context7-mcp", "--api-key", "YOUR_API_KEY"]
    }
  }
}

HTTP 経由での接続や VS Code / Cursor 用サンプルも公開されています。(GitHub)

どんな場面で効く?

  • 新しい Next.js App Router の書き方を確認したいとき
  • 「この API の現行ベストプラクティスをコード付きで」というリクエスト
  • use context7 を添えて“確信度の高い回答”をもらいたいとき

2. Stripe MCP ─ 決済運用をチャットで回す

Stripe 公式の MCP サーバーに接続すると、顧客や支払い、請求、サブスクなどの API を自然言語から操作したり、ドキュメントやサポート記事を検索させたりできます。OAuth で権限を細かく絞れる点も安心です。(docs.stripe.com)

最小セットアップ

{
  "servers": {
    "stripe": { "type": "http", "url": "https://mcp.stripe.com" }
  }
}

CLI 用やローカル実行(@stripe/mcp)の手順、利用可能ツール一覧も公式ドキュメントに揃っています。(docs.stripe.com)

どんな場面で効く?

  • 「テスト顧客を作って、直近の支払い一覧をまとめて」と頼む運用タスク
  • 実装中に「支払いリンクを作る手順」を確認し、そのまま API コールを生成
  • 権限を絞ったキーで安全に運用しつつ、情報システムや CS チームも同じ導線を持てる

3. Chrome DevTools MCP ─ AI がリアルなブラウザでデバッグ

chrome-devtools-mcp を入れると、AI が実際の Chrome を開き、ネットワーク・コンソール・DOM・CSS・パフォーマンスを直接操作できます。CORS やレイアウト崩れの調査、LCP のトレース取得といった“画面を見ないと分からない”作業を任せられるのが快感です。(Chrome for Developers)

最小セットアップ

{
  "mcpServers": {
    "chrome-devtools": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "chrome-devtools-mcp@latest"]
    }
  }
}

ヘッドレス起動や既存ブラウザへの接続 (--browser-url=...) などオプションも豊富。README には最初に試したいプロンプト例がまとめられています。(GitHub)

どんな場面で効く?

  • localhost:8080 の画像が時々表示されない」を調査→ネットワーク/コンソールから CORS を特定
  • レイアウト崩れが起きたページで DOM/CSS を点検し、修正案まで出してもらう
  • LCP のトレースを取り、ボトルネックの指摘と改善案を同時に受け取る

4. GitHub MCP ─ リポジトリ運営をエージェント化

GitHub 公式の MCP は、リポジトリの読み書き、Issue/PR の作成・更新、Actions の監視、依存の分析などを AI に任せられる強力なサーバーです。リモート(OAuth)とローカル(Docker/バイナリ)どちらでも動きます。(GitHub)

最小セットアップ(VS Code の例)

{
  "servers": {
    "github": { "type": "http", "url": "https://api.githubcopilot.com/mcp/" }
  }
}

ツールセットを --toolsets repos,issues,... のように絞れるほか、PAT と OAuth を場面で使い分けられます。(GitHub)

どんな場面で効く?

  • /api 直下を触るオープン PR だけ列挙して要約して」とお願いするレビュー前の情報収集
  • バグ報告 Issue をテンプレで起票 → 関連 PR 作成 → レビュー観点まで一気通貫で任せる
  • CI の失敗ログや Dependabot アラートの要約を毎朝 Slack に流す

5. Playwright MCP ─ E2E テストを自動生成・実行

Microsoft が提供する Playwright MCP は、ブラウザ操作と E2E テストの生成・実行を AI に任せられるサーバーです。npx @playwright/mcp@latest で導入でき、既存タブへの接続や --isolated でのセッション分離、--storage-state でのログイン状態再利用など、現場で嬉しいオプションが揃っています。(GitHub)

最小セットアップ

{
  "mcpServers": {
    "playwright": {
      "command": "npx",
      "args": ["@playwright/mcp@latest"]
    }
  }
}

どんな場面で効く?

  • 新機能を実装した直後に「このユーザーフローの E2E を書いて実行、結果をまとめて」と依頼
  • ログインが必要なテストを、ストレージ状態を渡して即走らせる
  • 既存のログイン済みタブに接続し、手元ブラウザの状態をそのまま流用する

まとめ ─ AI に“現場のコンテキスト”を渡すだけで変わる

  • Context7:最新版ドキュメントを注入してコード回答の確度を高める (GitHub)
  • Stripe MCP:決済運用をチャット経由で安全に回せる (docs.stripe.com)
  • Chrome DevTools MCP:ブラウザ調査とパフォーマンス計測を自動化 (Chrome for Developers)
  • GitHub MCP:Issue/PR/CI など開発運営をエージェント化 (GitHub)
  • Playwright MCP:E2E テストを生成・実行し、結果まで報告してくれる (GitHub)

MCP は“AI 用の USB-C”という比喩が本当にしっくり来ます。まずは 1 つ導入して、プロンプトに現場のデータや操作を添えてみてください。AI のアウトプットが一段と実務寄りになり、開発の安心感が劇的に変わります。

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